沈まぬ太陽(★★★★☆)

沈まぬ太陽 スタンダード・エディション(2枚組) [DVD]

昭和30年代。巨大企業・国民航空社員の恩地元は、労働組合委員長を務めた結果、会社から10年におよぶ僻地での海外勤務を命じられた。かつて共に闘った同期の行天四郎が組合を抜けてエリートコースを歩みはじめる一方で、恩地は家族との長年にわたる離れ離れの生活で焦燥感と孤独に追いつめられ、本社への復帰を果たすも不遇な日々は続くのだった。そんな中、航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こり…。

大作でした。
実力派のキャスティングとリアルなストーリー、チープなCG素晴らしかったです。
そして、学生の時に公開されなくて良かったとも思います。
社会人の今だからこそ、こういった社会派ムービーが面白いんだろうなぁ。
組合と会社の戦い、この映画ではいかにも組合側の「安全のために賃上げ」という主張に正義がありそうですが、「国からの補助をもらってる身分でそんな要求が通る訳ない」という会社側の主張の方が正論な気もします。
会社=悪とされており、確かに利権にまみれてのうのうと生きている奴らは駆逐されるべきなのでしょうけど、行天のように自ら進んでというよりは巻き込まれて悪の道に走り引き返せなくなっている人もいます。
この行天を悲劇的と見るか、悪と見るかは人それぞれなのでしょうけど、私はこの人行動は少し理解できます。
恩地は最後まで会社に対し家族を犠牲にしてまで正義を貫いたのですが、実は会社に対し負けたくないという意地で会社に残り続けたのではないかとも思います。
恩地と行天、お互い守るものが違っただけなのではないでしょうか。