失敗学

展示会2日目、講演会があったんで聞いてきました。
テーマは失敗学。
失敗から学べってことですが、その失敗をどう伝えるかってのも重要みたいです。
例えば学生に「HF(フッ酸)は劇薬です。」と教える場合。
劇薬というだけでは、どう危ないかは伝わってきませんよね。
ここで、ちょっと考えてみることが大事。
高校化学まで勉強した人達はHが1個だから強酸だなと予想がつくと思います。
だったら手に付いたらすぐ洗い流せば大丈夫なのかなぁと対策まで想像してそれを使う。
それでも失敗は防げないんです。
このHFは、HよりもむしろFの方が危険。
このF=フッ素は、Hと違って肉には興味がなく、カルシウムを食べちゃう性質があるそうです。
そう、つまり指先から染み込んで骨がやられちゃいます。
これによって指先が腐って切断しなきゃいけなくなるケースもあるとか。
過去、講演者の先輩がHFで事故って、「これ以上フッ素の進行を止めるため、指先を切り落とすか、それとも開発中の新薬を試すか」と究極の選択を迫られ、薬を選んだそうです。
その薬ってのは・・・カルシウムです。
しかも爪の間から注射するため激痛。
でも、おかげで完治したそうです。
ここまで話せば、いかにHFが危険な物質かが頭に叩き込まれて忘れないはずです。
人間は自分の失敗は隠したがりますが、人の失敗は大好き、その失敗談をからめて頭にいれることが効果的だそうです。
痛みを伴う話はさらに効果的。
なるほどなぁ。